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England's best pipe value

Fantail #58

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珍妙なステムが特徴のFantail。前々から気になっていたグレードですがかなり状態の良い #58が出ていたので手に入れてみました。

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私はSasieniのセカンドグレードが好きですが、これは単に価格が安いという以外にも、グレード毎のフィニッシュの違いが楽しめるからです。一番下のOld Englandと言えどもそれなりの味わいがありますし、Royal Stuartはヘタなファーストグレードより品質はいいです。

その中でも以前から気になっていたグレードなのがこのFantail。妙なデザインのステムは格好良いかどうかは抜きにして、非常に独特なスタイルです。12種類のシェイプで出ていたようですが、Sasieniの名物シェイプと言える#58("Moorgate")と組み合わせたのがこのパイプ。この組み合わせは意外と好評だったのか、現在でもたまに出品されているのを見かけます。

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刻印はこの通り。パテントナンバーが打たれているのでおおよその製作年代は察しがつきそうです。50年代中頃の製品でしょうか。

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Fantailの一番の特徴は何と言ってもパテントを取得したステム。1952年11月25日出願の
D170067です。残念ながら、この図や説明を見てもどういう意図があったのかはわかりません。ただ、その文章の中で参照してある他のパテントは中々興味深く、特に1925年のDoberのデザイン(D70749)と1937年のBarlingのデザイン(D110336)の2つは、まるで設計思想が違う点が面白いです。このあたりのデザインを踏まえた上での設計なのでしょうか。
ちなみにいつものPipepagesにある60年代のカタログにはちゃんと説明があり、
This fine quality pipe, beautifully styled has an exclusively designed mouthpiece.This patented design offers the maximum comfort to the most critical pipe smoker, giving exceptional lightness and balance which enables even the man with dentures to enjoy smoking a pipe of a larger size than he might otherwise be able to hold comfortably.
との事。
他に無いデザインという事と、入れ歯の方でもデカいパイプが快適に楽しめるという事をアピールしているようですね。エアフロー云々というより、このステムは銜え心地を重点に設計したようです。

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テノンはパテントの図の通り2段。開口部はなかなか凝った造りで少し窪んでいます。かなり品質は高いと言えるでしょう。

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このFantailというグレードの気になる点はステム以外にもあります。それは今まで見かけたFantailのボウルがどれもFour-dotと大して変わらない点です。このパイプもそうなのですが、グレインこそ地味ですがフローが全く見当たりません。他にもラスティックのFantailは彫りがFour-dotとほぼ同じで、このあたりも謎です。Pipepagesにある資料の中では1955のRTDAの価格表に初めてこのグレード名が出ていますが、Fantailは$8.50。ちなみにRoyal StuartとWindsorは$5.00、Four-dotは$10.00で、ちょうどその間の価格になっています。先ほどの60年代のカタログを見てみるとセカンドグレードのページでは無く、Four-dotと同じページで扱われているので、グレードとしてはあまりセカンドという認識は無かったのかもしれません。

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吸い味の方は、大筋は他の同年代のSasieniとほぼ同じと言えそうです。試しに、McClleland #5100とEsoterica Penzanceで吸ってみましたが極めて良い調子。ただ、大きめなボウルなので後半に飽きが来てしまいがちではありますが、ゆっくりと落ちつきたい時にはいいパイプかもしれません。肝心な銜え心地については、ちょっとまだわからないですね。確かに、銜えた感じは悪くは無いのですがボウル自体が重いので負担を感じないと言えば嘘になります。個人的にはもう少し薄いほうが好みでしょうか。

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似たシェイプであるRoyal Stuart #73Nと比べてみました。正直なところ普段使うには#73Nの方が使いやすいです。#58は普段使うには少し大きいと思います。

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この#73Nのステムは、小型ながら開口部の広さ、リップの薄さ、共に申し分無いです。このFantailと比較しても開口部の大きさは73Nの方が大きいでしょう。こうした優れたセカンドグレードと比較してみるとFantailがそれまでの製品を上回る画期的なアイデアであったかどうかは疑問です。まあ、かなり大きさが違うので単純にボウルの重さの違いも相当あり、このあたりでも評価が違ってしまいますが。ただ、Fantailの方は相当強く噛んでもビクともしないような頑丈さはあります。説明文にも少し書いてある通り、大きなパイプを快適に扱うには良い形状なのかもしれません。
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