Kaywoodie #7365


私は数本セットになったもの、俗に言うLot物を狙う事が多いです。大体その中で本命が決まっていてあとはオマケといった感覚で落札するのですが、本命のパイプ以上に格好良いパイプが入っていた経験も何度かあります。この#7365は前回の#7382とセットで落札したものですが、本命の#82より格好良いパイプでした。

シェイプナンバーは#65との事。いつものGray Fox Onlineを参照してみると、Medium apple, gravity bowl(1935-1937)と出ていますね。Chris's Pipe Pagesにあるカタログにも掲載されていました。製作年代も恐らくこの年代でしょう。しかし、、格好の良いシェイプですねえ。このアップルとブランデーグラスを混ぜたようなデザインはありそうで無いような気もします。私はアメリカ製のパイプのシェイプは面白みはあるけど英国製のような精悍さは無いと思っていましたが、このパイプは当時の英国勢と比べても見劣りしないでしょう。Gravityという奇妙なシェイプ名もいいですね。


刻印は前回の#7382とほぼ同じ。このパイプ、Gravityの名は伊達じゃないのか重心がかなり下にあるようで、相当傾けて置いても横に転がることはありません。そういう点でもよく出来たシェイプです。


良く見かけるKaywoodieと大きく異なるのがこのテノン。シャンク側はブライヤーに直接ネジが切ってあります。より精密な印象はありますが、実用としてはちょっと不安ですね。このスティンガーの刻印からもなにかわかるのかもしれませんが、Kaywoodieについては結構疎いので詳しいことは知りません。

ステムの煙道は例によってかなり細く、BJ Longの一番細いモールがやっと通るといった感じです。


ブラストの具合は素晴らしいの一言。これはDunhillのShellと並べても見劣りしないのではないか、と。個人的には何処に出しても恥ずかしくないパイプだと思います。


このパイプ、外見は綺麗な物でしたが中のレストアには少々苦労しました。カーボンはこの通り厚く、かなり固いものでした。シャンク内のタールも凄まじい量が取れました。
吸い味の方はどうか、、というと基本的には前回の#7382と同じ傾向と言えそうです。比較の為に今回もEsoterica Dunbarで吸ってみましたが、あまーい煙がゆっくりと流れてきます。ただ、#7382の時のようなしつこさは無い気がしますね。ある意味ではこちらの方が吸いやすいと言えるのかもしれません。まあ、単に舌が慣れただけの可能性もあるので、今後じっくりといろいろなタバコで楽しんでみます。

ちなみに今回付属していた箱はこんな感じ。そっけないデザインです。

2本並べてみました。このThorn2本は見た目も吸い味も期待以上だったと言えそうです。今回の喫煙で学んだのはエアフローが悪い=吸い味が悪い、とは必ずしも言えないという事でしょうか。確かに、この2本は銜えているだけで煙が流れてくるようなスムーズさはありません。ただ、この蜜を吸うような甘さというのも捨てがたいとも思いますね。まあ、これは個人の嗜好やタバコの種類によっても変わることですので一概にどうとも言えないのですが、現状ではそんな気がしました。
・ 追記


レストアの大先輩であるshuzed氏より、スティンガ接合部が固着しメス側ネジの接着が緩んだのではないか?との指摘を受けましたが、全くをもってその通り。左が外した状態での記念撮影。隙間にシリコーンスプレーをひと吹きしてやると、いとも簡単に外れました。奥にヤニが溜まっていたり、メカっぽい物が見えていたりと、どうもおかしいとは思ってはいましたが気がつかないもんですね。ちなみに状態は極上で、固着したのが功名となったのかヘタりも無く水平にピタっと止まります。これで安心して使えますね。本当にご指摘有難うございました。
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