Yello-Bole Imperial #3110B


前々から欲しかったシャンクロゴのYello-Boleですが、ちょうど好みのシェイプが出品されていたので手に入れてみました。右の写真はレストア前のものです。

Yello-Boleは戦前でも現在でも廉価なパイプとして楽しまれている訳でして、このパイプもえらい安い価格で落札できました。まあ、こういう時に限って送料がバカに高くなってそれなりの値段になってしまうのですが。このImperialというグレードがどういうものなのかはわかりません。ただ、現在も生産されるYello-Boleにもこのグレード名は使われているので、かなりポピュラーなグレードだったのだと思います。


シェイプナンバーは#3110B。Gray Fox Onlineを参照してみると、10BはSlim paneled pear Years: 1936-1938と出ていますね。写真が出ていないので確認は出来ませんがこのパイプは見た感じ、パネルのPearと言えそうです。実にKB&Bらしい格好良いシェイプだと思います。派手なシャンクロゴもいい感じですね。

ALGERIAN BRUYÉREの刻印。例の謎のUの刻印もあります。個人的な認識としてはこのALGERIAN BRUYÉREと表記されたYello-Boleに吸い味が良好なものが多い気がします。これは好みの問題とも言えそうですが。


戦前のYello-Boleは低グレード品にしては概ね良質なパイプなのですが、流石にステムの造りには少々難があります。銜え心地は悪くないのですが、リップの開口部が狭く、煙道も細めです。ヴァージニアをチビチビ吸う分にはいいかもしれませんが、ラタキアやオリエントを煙量たっぷりに楽しむのには不向きのような気がします。まあ、例外もありましたが、細いシェイプのものは大体こんな感じでした。ちなみに右はレストア前の写真。


特徴的なエンジニアリング。このアルミフィルターを装備したモデルはシャンク内の煙道が異様に太いのが特徴です。これはフィルターの幅を基準に穴の径を設定した為にこうなったのでしょう。このタイプのフィルターはカーボンカッターとしての機能もあるらしく、装着した状態で回しながらステムを抜くとシャンク内に固着したヤニが取れることもあります。まあ、本来の用途であるフィルターとしての機能はイマイチなのですが。メタルテノンは一見頑丈で良さそうなのですが、個人的には不安ですね。というのは、どうにもステムルーズになりがちなので。


煙道はボウルより一段下に開いています。というよりボウルの内壁にメシャムラインパイプのようにもう1層壁を施したもののようです。これが恐らく”Honey Cured”と言われるボウルを蜂蜜でコーティングしたものなのだと思います。あと、ボウルトップ付近の内壁には何故か溝がありますね。これについてはどういう意味があったのかはわかりません。


古いYello-Boleをレストアする際に一番苦労するのはこの表面。オリジナルのラッカー処理は綺麗な状態だとなかなか良い感じなのですが、流石に70年以上も経過した物だと剥げたり、ひび割れたりしたものが多いです。普通のカルナバワックスで仕上げられたパイプであればスチームを当てれば一発で綺麗になるのですが、ラッカーだと白く濁るだけで上手く離剥できません。となるとアルコールでひたすら拭くというような作業か、表面を研磨するというような荒療治が必要となります。今回はやや不安ありましたが、ごく少量の溶剤を垂らした布で拭いてあります。試した結果、ほぼ完全に離剥できましたが、やりすぎるとシンナー臭いパイプになるので注意が必要でしょう。
吸い味に関してはもうあまり語る事はないでしょう。キュアリング無しの上質な生味。明るい味でヴァージニアで吸うと美味しいといった感じの典型的なYello-Boleの吸い味でした。ただ、以前紹介した3本に比べると若干吸い味は落ちる気はしますが。まだ、吸い始めなので今後に期待したいところです。

同じYello-Boleの#2383との比較。グレードは若干異なりますが、細くスマートな印象は共通していると思います。値段も手頃で見ても吸っても面白い戦前Yello-Boleなのですが、ビンテージパイプ市場ではいまいち普及していないようですね。年代判定等は若干難しいですが、そう高いものではないので個人的にはお薦めのブランドです。
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コメント
どうもどうも。
Yello-Boleって特に高級なものでは無いし、玉数もそこそこあるのですが、
なかなか手に入れる機会は無いですよね。
私自身手に入れたのは最近のことですし。
吸い味に関しては好みが分れる部分はあるとは思いますが、
実に面白いパイプではあるので個人的にはお薦めです。
Yello-Boleって特に高級なものでは無いし、玉数もそこそこあるのですが、
なかなか手に入れる機会は無いですよね。
私自身手に入れたのは最近のことですし。
吸い味に関しては好みが分れる部分はあるとは思いますが、
実に面白いパイプではあるので個人的にはお薦めです。
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ラッカーの落とし方も参考になりました!