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England's best pipe value

Kaywoodie Drinkless #7798B

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今回は手持ちのパイプの中では少ない、Kaywoodieを紹介します。たまにはこういうアメリカ製のパイプも悪くないものです。

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日本の認識ではちょっと意外かもしれませんが、パイプスモーキングの本場は今も昔もアメリカ。思えば戦前からDunhill、Sasieni、Comoy、GBD、Barling、、、と英国の主要メーカーのほとんどが英国国内より米国市場向けに輸出していたのも事実です。ハンドメイドパイプの人気に最初に火が付いたのも米国市場が初ですし、今現在でも多数のパイプ作家が様々なシカゴやリッチモンドのパイプショーで作品を発表しています。無論、ヴィンテージパイプの本場もアメリカと言え、、私が持っている中古品も8割以上はアメリカからやってきた物です。これは単純にパイプスモーカーの数が多いのが要因と言えそうですが、これも入植以来の伝統なのでしょうか。まあ、屁理屈を言えば地球上で最も早い時期に喫煙が行われていた地域でもある訳でして、それが必定といえるのかも知れません。
若干話は反れましたが、その米国市場の中で地元アメリカを代表するパイプだったのは文句無しにKaywoodieでしょう。現在のKaywoodieはハンドメイドラインを除けば廉価なマシンメイドの印象しかありませんが、4桁のナンバーが打たれていた頃(1938年以前?)は英国製パイプに十分対抗出来る製品を出していたようです。このDrinklessはその中でもポピュラーかつ最も廉価なモデル。普及モデルのせいか見た目はそれほど高級感は無いですね。#98は私好みのシェイプであるスクワットブルですが、SasieniやComoyの製品のような端整なシェイプには仕上がっていないようです。まあ、これはこれで味があるようにも見えますけどね。

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刻印はこの通り。4ケタのシェイプナンバーなのでおそらくは1938年以前の製品だと思うのですが、KBBのクローバーの刻印が無いのでそう古いものでも無さそうです。

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やはりKaywoodieといえばこのDrinkless-AttachmentとSynchro-Stemの印象が大きいです。実際、かなり実用的な装置と言え、喫煙中でも気軽にステムを抜くことが出来ます。スティンガーには結構水滴が溜まりますが、吸い辛くなっても抜いて金属部分を拭いてやればいい訳です。煙道に何か詰まっているとモールが通らずメンテナンスが面倒、という最大の欠点を単純に解決した点はもっと評価されても良いのではないか、とも思いますね。エアフローが悪くなる、というどのメーカーのフィットメントにも共通する欠点はありますが、逆に言えば余程強く吸わない限り過燃焼は防げるようでして、このあたりも考慮に入れた設計なのかもしれません。全ての人に受け入れられるシステムでは無いでしょうけど、かなり合理的なシステムではあります。ただ、肝心なステム、特にリップの造りはそんなに良くは無いのが残念な点ですが。

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ボウルの造りはあまり良いとは言えないでしょう。なんというかちょっと気の抜けたような感じが。特にスクワットブルドックという直線が多いシェイプだとこのあたりの差が明確に分ってしまう気がします。ステインもグレインも地味そのもので余計にそう見えてくるのかもしれません。もう少し上のグレードだとグレインが際立った仕上げの物もあったようですが。

さて、外観よりメカの方の印象が強いKaywoodieですが、実際のところメーカー自身が最も力を入れていたのはブライヤーの質についてのようです。昔のカタログを見てみるとしきりに大きなブライヤーの最高の部分のみを使用、といった宣伝文句が書いてあります。まあ、宣伝文句を全て鵜呑みにするのもナンなのですが説明を読む限り、優れた吸い味の要因は上質のブライヤーにあるという認識だったように思えます。英国勢がキュアリングで勝負するなら、こちらは元の原料から勝負といったところでしょうか。

まあ、どんなパイプであれ吸ってみるのが一番手っ取り早いです。吸ってみるとやはり理屈抜きに美味いパイプなのではないかと思います。確かにキュアリングがされていない?ので生味特有の渋みが僅かに感じることもありますが、強めの甘さと香ばしい香り。甘いといってもキュアリングが施してある英国製パイプのような濃厚さはありません。逆に言えばこの軽い味わいが長所とも言えそうです。私個人が思うにはパイプは平均点以上の吸い味だけじゃなくその上で何か個性が必要だと思うのですが、このKaywoodieにはそれがあるように思います。無論、良い部分だけじゃなく欠点もあるとは思いますけど、まあそれも個性ということで。

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Friar #987との比較。ちなみに30年代の価格はDrinklessもFriarも同じ$3.50。その当時の大きなパイプ屋ではこんな感じの品定めがあったのかもしれません。しかし、セカンドラインとは言えFriarの方が遥かに仕上げは良いですね。吸い味はどちらも面白いパイプなので単純に比較は出来ませんが。
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