GBD Virgin #9486

GBD再評価といった感じでもう一本紹介。思えばこのVirginが私にとっての最初の一本でした。


VirginはGBDの量産品の中では高級グレード。今でも玉数が多いので昔のアメリカではかなりメジャーな存在だったのでしょう。Comoyで言えばLondon Pride、DunhillならBruyereといったところでしょうか。５０年代中期頃価格表を参照すると価格も同じぐらいなのですが、どうにも現在ではこのVirginの評価は低いような気がします。全体的な造りも吸い味も概ね良好なのですが。シェイプは６角のパネル形状。かなり特殊なシェイプなのですが、これがGBDならむしろ普通になってしまうのが面白いです。


刻印はこの通り。よく見かけるもので、詳しい製作年代はわかりませんが、恐らくは６０年代初頭あたりの生産品だと思います。


高級グレードのVirginでも、ステムの造りはいまいちです。この辺りは他社の同等クラスの製品と比べるとかなり見劣りします。GBDにはハンドカットとモールドの２種類があったようですが、これはどうみてもモールド品。どうも、この基準がよくわからないらしく低いグレードでもハンドカットのモノもあるようです。ただ、銜えた感じは悪く無いのですが。


一方、ボウルの造りはかなり良いです。６面パネルは手間のかかるシェイプですが、この辺りはしっかりと造られています。色は薄めのブラウンですが、元々はもう少し薄いナチュラルステインだったのだと思います。


ボウルトップは曲面で仕上げられていて、かなり上質な印象。パネルなので全体的には角で纏められているのですが、細かい部分には曲面が多いです。

このパイプはレストアした当初から美味いパイプで、ヴァージニア用パイプとして使っていました。ただ、不思議とあまり出番が無かったので、今回再評価という事に。前回のNew Eraでかなりクセを抑える印象がありましたが、今回もその傾向があるのか？と気になったというのもあります。試したタバコはお試しで頂いたG.L Pease Montgomery。実はG.L PeaseのVAブレンドはHaddo's Delightを試して以来、私はどうにも独特の強い酸味が合いませんでした。このMontgomeryもSasieniで試したときはあまり良好な吸い味とは言えない気が。しかし、、このVirginではかなり美味いと思います。なんというか、単純にかなり吸いやすい印象に。雑味だけカットして美味いところだけ抽出するような特性は流石といったところ。特徴はわかりにくいかもしれませんが、上質なスモーキングクオリティと言えるのではないでしょうか。やはり、個人的にはクセの強いVa/PブレンドやローストしたVaフレークなどが合っているような気がします。そういえば、G.L Peaseことグレゴリ―・ピース氏はかなりのGBDコレクターとしても有名ですが、狙ってやった訳では無いにしろブレンドを考える際に頭の片隅ぐらいにはこのGBDの吸い味があったのかもしれませんね。