Custom-Bilt □


このパイプは前回のCustom-Biltとセットで手に入れたものです。今回は珍しく完全な一目惚れで、むしろこのパイプが本命での落札でした。

Custom-Biltといえばどれも大きなパイプばかりの印象ですが、中にはこのようなミディアムサイズの物もあったようです。しかし、、なんとも形容し難いシェイプですね。ローデシアンとも見えますし、見ようによってはポットとも言えそうです。昔のカタログを見た限りでは一応はシェイプナンバーが存在していたようなのですが、刻印されていないのでよくはわかりません。大きさ、シェイプ、彫り、、と自分にとってはCustom-Biltここに極まれと言わんばかりのパイプなのですが・・・。


しかし、残念なことにテノンとシャンクのエンジニアリングがあまりにも雑です。写真と通り、かなり大きな隙間が開いていますが、これ以上は差しこめません。ひょっとしたら別のステムをむりやり装着しただけなのかもしれませんが。刻印は前回とほぼ同じもの。このパイプには□と刻印されていますが、これが小さめのボウルを表す記号なのかもしれません。


シャンクの噛み合わせは非常に悪いですが、ステム自体の出来はそれほど悪くはありません。ただ例によってヴァルカナイトの質はやや落ちるようですが。今回はこれに加えてかなりのステムルーズでしたので、その処理も大変でした。


彫りに関しては凄まじいの一言。今まで何本かCustom-Biltを見てきましたが、ここまで派手なカービングは珍しいと思います。意外とスムース部分も多く残っており、そこがヌメっとした感じに仕上がっています。一見は強引かつ雑なカービングなのですが、全体的にみると有機的なデザインにも見える気がしますね。人によっては単なる不気味な彫りでしかないとは思いますが、私は非常に気に入りました。

今回も残念ながら埋めはありました。多少の事は仕方ありません。

いろいろと問題の方も多いパイプではありましたが、吸い味の方は素晴らしいです。ラタキアやオリエントが美味しいというのは同じ傾向でしたが、その中でも一番美味かったのはC&D Or Olam。このタバコ、パイプの味付けによっては非常に吸いづらいと思うのですが、このパイプとの相性は抜群。オリエントとヴァージニアの甘さが見事に合体して、もうワタアメみたいな感じです。ただ、調子の良いダンヒルのような綿アメ味のような上質な感じはしませんが。木の特性やキュアリングが大きく作用しているのだと思いますが、これはボウルサイズが小さめなのも相性が良かった要因なのかもしれません。また、造りが悪い割にはエアフローが結構良いのも共通した特徴のようで、非常に吸いやすいです。ただ、このサイズともなれば気がついたら空ということも多いですが。少なくともこのパイプでCustom-Biltはかなり満足しました。吸い味が非常に面白いだけに、ステムの不具合が悔やまれます。いずれはこのパイプに不相応なぐらいの高級なリプレイスメントステムを装着したいですね。いっそカンバーランド風とかに。遠い未来になるかもしれませんけど。

集まったCustom-Biltを並べてみました。上から〇、☆、□の順。中、大、小といったところなのでしょうか。他にもありそうなのでどうとも言えませんが。Custom-Biltは見た目はキワモノでも味は個性的でなかなかのもの。本場アメリカでは熱心な支持者も結構な数がいるようなので、特にMincer Eraの物はなかなか手に入れるのは難しいかもしれませんが、それほど高級なもので無いので一本試してみるのも面白いと思います。
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