Yello-Bole President #2293L


いきなり話がそれますが、私は1930年代の工業デザインが好きです。レトロフューチャーとでも言うのでしょうか、かなり奇抜かつ未来的なデザイン。特にアメリカとドイツでその傾向が多かったように思います。1920年代から1930年代にかけてはパイプ業界にとって黄金期とも言える時代だったのか、様々なデザインや機能が試されていたようです。で、これはそんな30年代の未来チックなデザインのパイプ。これもオフで吸わせて頂いた際に気に入ったデザインの一つで、丁度良く手に入れることが出来ました。


このPresidentについてはとりあえず、パテントの図をご覧頂くとわかりやすいと思います。見ての通りストレートパイプなのですが、銜えた時のバランスを意識してデザインしたようです。コンセプトとしては、Pipe-DanのShape Reformedと似たようなものでしょう。ただ、かなり年代が離れており、デザイン的には大分印象は違いますが。1937年のKaywoodieのカタログでは93Sと93Lの2種類のシェイプが記載されてますが、おそらくはSmall、Largeの略です。で、これはそのYello-Bole版ということなのでしょう。


刻印のアップ。普通はニアサイド側にグレードやメーカー名を刻印するのが一般的ですが、このパイプはファーサイド側にKBB Yello-BoleとPATENT 90232の刻印があります。これはPresidentだけの例外なのかはわかりませんが、珍しい事例だと思います。


底にはALGERIAN BRUYÉREの刻印。シェイプナンバーはボウルの底に刻印されていました。


ステムは全くインレイが見当たらず、これがオリジナルなのかはわかりません。リプレイスだとしたら、なかなか良く出来ています。造りもそこそこ良く、銜え心地は良好なのでこれはこれで良いのでは、と。


なんか、歪んで見えますが、当然歪んでいるのは写真の方ではなくパイプの方です。斜め下に銜えた際にボウルトップを水平に保つ為のデザインなのでしょう。


底の方は何故か鋭角。ここを握ると妙に気持ち良いです。デザインの好みは抜きにして、このシェイプを量産化出来たというのはかなりすごいことなのではないか、と思いますね。ただ、Pipe-Danがボウルをチムニー風(トッパー気味と言った方がいいのかもしれませんが)にデザインしたのに対し、このPresidentはそのまま斜めにカットしています。当然、切り口は楕円になる訳でして、慣れないうちはタバコを詰める際に戸惑います。少々タンピングに苦労しますが、慣れてしまえばどうということはないです。
デザインにばかり目がいってしまいがちなパイプですが、、これはかなり美味いパイプ。特に香り立ちが最高に良く、最後まで香ばしい香りが持続します。やや濃厚な甘味もいいですね。Vaでもバルカンでもオールマイティに楽しめる味だと思います。これはまだ確定とは言えませんが、どうも自分にはALGERIAN BRUYÉREと表記されているYello-Boleが好みの味と言えそうです。

今回は良質なYello-Boleが同時に3本揃いましたが、どれも素晴らしい吸い味のもの。30年代頃のYello-Boleは肩肘張らずに単純に美味く、楽しいパイプと言えそうです。
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コメント
毎度コメント有難う御座います。
一見キワものだけど、実際見てみると結構イケるパイプってのもありますが、これもそんな一本でしたね。
結論としてはYello-Boleは侮れないブランドってことでしょうか。
一見キワものだけど、実際見てみると結構イケるパイプってのもありますが、これもそんな一本でしたね。
結論としてはYello-Boleは侮れないブランドってことでしょうか。
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Yello-Bole 3連続更新お疲れさまでした!