Yello-Bole #2383


オフに参加する度にいろいろなパイプを見て、けっこう影響されることも多いのですが、その中でも毎度驚かされるのはYello-Bole。見た目も結構格好良く、吸い味はすこぶる良い。こりゃあ、欲しくならない訳が無い、ということで今回は良さそうなモノを3本手に入れてみました。その中でも一番のアタリと言えるのこの#2383です。


#2383の23は何かの形式番号だと思うのですが、ちょっと良くわかりません。83はシェイプナンバーで、Gray Fox Onlineで参照してみると、Slim octagon apple Years: 1928, 1935-1938と書いてあります。これがアップルなのかはちょっとわかりかねますが、スリムなオクタゴンには違いないのでこのシェイプなのだと思います。よくペンシルシャンクとは言いますが、鉛筆と比べるとご覧の通りの細さ。しかし、、細かい事は抜きにしても、このパイプはかなり格好良いのではないでしょうか。スマートそのもので、私は一目で気に入ってしまいました。


刻印はこの通り。この辺りについてはよくわからないのでコメントできません。

底には”ALGERIAN BRUYÉRE”の刻印。某氏のソースでは、この刻印は1935-36年に使われてるらしいとの事ですが、GFOのシェイプ表のYears: 1928, 1935-1938という情報にも大筋で一致しています。正確なことはわかりませんが、おそらくはこの辺りの時期に製造されたパイプなのだと思います。


後年のYello-BoleはDr. Grabowと共にメジャーなドラックストアパイプという位置付けだったようですが、KBB期のYello-Boleはどうも違ったようです。その証拠に細かい部分の造りがかなり良いです。ステムの材質は不明ですが、アクリルに近い材質でアンバーに似せたものでしょう。ステム側の煙道はかなり細いのですが、エアフロー的にはあまり問題がないのが不思議です。ただ、この細いリップの造りは多少神経を使います。メタルテノンの造りは良いのですが、フィットメントを外した状態だと多少煙漏れることがあります。これは多少調整すれば改善できるでしょう。


今回は珍しく、完全にレストアされた状態で届きました。これまでYello-Boleと言えばラッカー仕上げでバリバリにひび割れた状態のものが多かったので、ステインについては特に意識したことはありませんでした。しかし、このパイプのステインはかなり美しく、瑕もほとんどありません。元がどういう状態だったのかはわかりませんが、このレストアはかなり良い仕事と言えそうです。ボウルはご覧の通りの薄さ。かなり軽いです。この写真ではわかりませんが、シャンク側の煙道は極太でBJ Longの一番太いモールを通してももスカスカ状態。何かエアフローを意識したものなのでしょうか。
肝心の吸い味の方も素晴らしいの一言。試しにEsoterica DORCHESTERを詰めて一服してみると非常に心地良いヴァージニアの香りが楽しめました。ステムの煙道の細さ故か舌にくる味はちょっと鋭い感じですが、それがまた良いです。英国製のキュアリングの施されたパイプとは一味違った味わいで多少荒さも感じますが、この香りと甘さはそれを補っても余りある良さではないか、と。バルカンを一杯に詰めて煙量たっぷりに味わうというスタイルの方には向いてないと思いますが、ヴァージニアをチビチビと味わう喫煙には非常に向いていると言えるでしょう。これは、今後が楽しみです。
しかし、、今回のこのパイプでYelo-Boleの認識がかなり変わりました。今までは少々みくびっていたと言わざる負えません。やはり実際に所有してみないとわからないという事でしょうか。正直これほどの品質だとKBBのセカンドグレードとは言いがたいと思います。戦前のYello-Boleはもっと注目されても良いブランドかもしれませんね。
スポンサーサイト
コメント
コメントの投稿
トラックバック
http://sqbull.blog120.fc2.com/tb.php/43-1889a228