fc2ブログ

England's best pipe value

Custom-bilt

cb1_1cb1_2
以前、某オフ会に出席した際に妙に気になったのがこのCustom-biltというメーカーです。オフ会ともなるとDunhill、Barling、Sasieni、Comoy、Kaywoodie・・・etcと往年の名品が集まりますが、吸わせて頂いた結果このメーカーが一番印象に残るというのも妙な話です。それでも非常に気になったのは事実。となると自分で所有してみたくなってきた訳でして、たまたま出品されていた古そうな品を手に入れてみました。



cb1_3
Custom-biltについてはまずPipediaのページをご覧下さい。この詳細な解説からもわかる通り、アメリカ本国では一部に熱狂的なファンがいるようで、個人編集による資料まで発行されています。この解説で注目なのは当時の価格。
Custom-Bilt pipes retailed between $5.00 and $15.00 in the 1940s. According to an ad, standard Dunhill pipes were selling for $12.00 and $13.50, Parker pipes $7.50, GBD for $6.00 and Comoy’s $7.50. Not mentioned was that special Dunhills could retail up to $100 and certain Comoy’s up to $25.
と書いてある通り、昔は決して廉価な駄パイプではなかったようです。創業者Tracy Mincerが上質なアルジェリアンブライヤーを使用して作ったパイプのようですが、今の私には詳しいことはわかりません。資料も探せばいっぱいあるようなので今後もう少し調べてみたいです。

cb1_4
刻印のアップ。Tracy Mincerが製造に関わっていた?いわゆるMincer Eraの判断基準としては筆記体のCustom-biltで間にハイフンが入っているものらしいです。

cb1_7cb1_8
ただ、個人的にはこの彫りで判断したほうがわかりやすい気がします。いつものChris' Pipe Pagesに1942年のカタログ1957年のカタログがありますが、どうも彫り自体が異なっているようです。具体的には古いものは全体的にラスティックが施されており、シャンクぎりぎりにまで独特の深い彫りがあります。一方新しい製品は虫食い状態といった感じのラスティックで、スムース部分の面積が多い気がします。あと古い製品の方が明らかに彫りが細かく、新しい居製品は||||||||||||というような彫りが雑に見えます。まだ、サンプルが少ないのでどうとも言えないのですがこのあたりでも十分に判断出来そうです。まあ、この個性的なラスティックはかなり好みが分れるでしょうね。モーターツールで豪快に彫っているらしいのですが、個人的には味があって好きです。写真ではわかりませんが、シャンクぎりぎりのところに〇の刻印があり、これは初期の製品特有のボウルのサイズを表す刻印とのことです。

cb1_5cb1_6
同時期の英国製パイプに比べると細部の作りはそれほど良いとは言えないでしょう。メーカーのカタログによれば良質のヴァルカナイトをハンドカットしたものとのことですが、あまり作りはよくないようです。ただ、銜え心地はかなり良く、そのあたりは十分考慮された設計のようです。

cb1_9cb1_10
このパイプ、吸ってみるとかなり不思議な味がします。造りもさして良いとは言えず、チャンバーも写真の通りいたって普通です。それでも吸い味はかなり上質でスムーズ。味自体もかなり独特でどこのメーカーとも異なります。やや薄味ですがしっかりと旨みと甘味がある味。ヴァージニアでもバルカンでも実に美味しいです。強いていえばDunhillやBarlingに近い味わいと言えるかもしれませんが、それとも異なる味わいのようです。恐らくはなんらかのキュアリングの味なのだと思うのですが、それが胡散臭い赤外線キュアリングによるのもなのかはわかりません。一番謎なのがエアフローが非常に良い点。それほど造りが良い訳ではないのに煙量豊かなおいしい味が底までなんのストレスも無くきれいに灰になります。いろんな意味で驚異的ではないでしょうか。

オフ会で吸った時は半信半疑だったのですが、このパイプに関してはかなり上質な吸い味と言えそうです。ごくごく個人的な意見ではありますが、吸い味に関してはDunhillやBarlingと比較しても良い線いっていると言っても過言では無いと思います。まだ、一本目なのでよくわからないので、今後はもう1,2本Mincer Eraの製品を試してみたいですね
スポンサーサイト



コメント

何ともグッドタイミングで取り上げてもらえました。
この奇妙な彫りに惹かれて購入したところだったのです。

僕のはどうやら新しい物のようで、リップは大雑把で銜え心地は今ひとつです。大柄なアメリカ人の口にあわせたのでしょうか。
しかし、楽にたくさんの煙が口まで届くのには、少々驚きました。
喫味については何とも言えませんが、個人的には非常に気に入りました。是非初期の製品も試してみたいと思います。

コメント有難うございます。
あと、先日はどうも。
このCustom-biltはかなり面白い味ですね。
上が出ないところはComoyっぽくもあるし、甘さはDunhillっぽくもある気がします。
ただ、洗練さや上品さとは無縁でしょうか。
上ではヴァージニアでも美味いと書いているけど、、今になってみるとやはりラタキア向きじゃないかと思います。
まだまだ、謎が多いパイプですのでじっくりと付き合っていきたいところですね。

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://sqbull.blog120.fc2.com/tb.php/34-b90ba97c

 | HOME | 

Calendar

« | 2023-12 | »
S M T W T F S
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -

Categories

Recent Entries

Recent Comments

Recent Trackbacks

Appendix

sq

sq

主にSquat Bulldogの収集がメイン
高級なものは無いけど、良いモノを揃えていきたいです。
sq_bull+yahoo.co.jp <+→@>