McClelland : No. 2025 English Cavendish

今回は今現在の私の常喫タバコと言えるのかもしれない、マクレーランドのバルク#2025をレビューしてみます。これはこれで地味ながらも、なかなか楽しめるタバコでした。
さて、マクレーランドのバルクの#2000番台はなかなかの傑作揃いで、特にフレークタバコに人気が集まっているようです。
フレークだけでまとめてみると、
#2000 Fragrant Matured Cake (着香ヴァージニア)
#2010 Classic Virginia (ヴァージニアのみ)
#2015 Virginia Perique Flake (ヴァージニア+ペリック)
#2020 Matured Cake (オリエンタル、ラタキア入り)
#2025 English Cavendish (オリエンタル入り)
#2035 Dark Navy Flake (ダークストーブヴァージニア)
まあこのような感じになっています。この中で絶大に人気があるのは#2015でこれぞVaPerの傑作との声は多いです。次に人気があるのは#2010でしょうか。これもストレートヴァージニアの傑作とされています。あとは通好みだと#2035、この濃厚な甘さの支持者はやはり多いです。まあ、この3つは良く名前を聞くのですが、残りの銘柄はあまり話題にはなりません。他はどういう感じなのか気になってきたという訳です。
今回選んだ、この#2025 English Cavendishは何となく存在自体は知っていたのですが、これまで買う機会が無かった銘柄。前に注文した際に#2035が間違って届くというようなミスもあり、なかなか試す事が出来ませんでした。まあ、素で間違えるぐらいにアメリカでもマイナーなタバコなのだと思います。
説明は
This is a plesant, rather light, broken, small-flake tobacco composed of Lemon Brazilian and orange Middle Belt leaf
seasoned with enough Xanthi to be satisfying throughout the day.
との事。
平たく言えばヴァージニアにオリエンタル(クサンティ)入りといったところです。Lemon Brazilianというのはまあ大体想像がつきますが、Middle Belt leafというのはナイジェリア産のタバコを意味するのでしょうか?たまに聞く単語なので少し気になる点ではあります。しかし、このブレンドのキャベンディッシュの要素はどこなのか、が謎ですね。2種類のヴァージニアにクサンティを加えて"seasoned"したので、全体でキャベンディッシュという事なのかもしれませんが。

葉の状態はこのような感じになります。マクレーランドらしい、厚く、少し崩れたフレークです。ほぼ、#2015と同じようなものでしょう。
さて、少し話題はズレますが、今回はマクレーランドのフレークの傾向についても少し書いておきましょう。この手のタバコを便宜的にフレークと言っていますが、解釈によってはこの形式のカットはフレークではなくブロークンフレークとも呼称されるらしいです。ちなみに#5100 RedCakeはレディラブドとの事で一応はこれもフレークの仲間との事。完全なフレークは#2035のような状態を指すらしいですが、確かにそうなのかもしれません。
ではなぜ崩れているのか?となりますが、恐らくは解して吸うことを前提にして売っているから、だと思います。実はマクレーランドのフレーク吸い方についてのFAQでは、解す方法を推奨してるのです。特にこの手の様々なタバコを混ぜている場合は良く解した方が味がまとまるような気もしますね。
私としてはフレークはあくまでも保存に適した形であって、全てのフレークがそのまま吸うのに適した形という訳ではないと考えているので、フレークを解す事に抵抗はありませんが、フレークは解すのではなく畳むもの、と考えているスモーカーにはマクレーランドのブロークンフレークは向いていないかもしれません。
たまにマクレーランドのフレークは詰めづらい、という意見もお聞きしますが、私のアドバイスとしては一度試しによく解してゆっくりと吸って下さい、としか言いようが無いですね。デンマーク製のヴァージニアフレークは畳んで吸った方が簡単かもしれませんが、一部の英国製のフレークやマクレーランドのこの手のフレークは解さずに吸うのは困難かと思います。


軽く解す際は指で適当にバラしたり千切ったりすればOKです。もっと完全にバラバラにしたい場合は手のひらに適量のタバコを乗せ、両手で力強く揉むとこれで大体バラバラになります。元々、レディラブドと言う言葉があるぐらいですから、この擦る方法はかなりポピュラーだったようです。今ではあまり一般的では無いのかもしれませんが、覚えておいても損はありません。欠点としては手が臭くなります。

解れたら真ん中のような状態になります。右の塊は大きな茎の部分で、マクレーランドのフレークは特にこの手の茎が多い点も畳んで吸う方法があまり向いていない理由の一つです。こうした部分を取り除けばより美味しく吸う事が出来るかと。あと、解すことによって容積を稼ぐ事が出来るので、ゆっくりと上手く吸う事が出来ればタバコの節約にもなります。
本題の味の方はなかなか複雑です。良く言えば繊細過ぎない程度に繊細なブレンド。ヴァージニアの甘さも十分に出ていますし、意外とオリエンタルの香りも出ていますね。クサンティの風味を加えて甘さを出す、という狙いは成功していると思います。派手さはありませんが個人的には最も求めていた味で、このタバコがあるのであれば、#5100にターキッシュリボンを加えた自家ブレンドの出番はほぼ無くなりそうです。
ただ、多くのスモーカーに自信を持ってお勧め出来るタバコでは無い、と思います。悪く言えば地味で良く分からないブレンドで、他と比べてどのあたりが優れているのかを説明するのが難しいです。同じマクレーランドのタバコであれば、ヴァージニアを楽しみたい方には#2015か#5100、もしくは缶入りのNavy Cavendishをお勧めしますし、オリエンタルの醍醐味を知りたい方にはGrand OrientalsシリーズのYenidje Supremeあたりをお勧めするのが順当かと。逆にこのあたりのお勧めタバコを大体試している、少し慣れたスモーカーにはお勧め出来るかもしれませんが、あまり自身は無いですね。要するに敢えてこのタバコを買うスモーカーは大分限られてくるのではないか、と思うのです。
まあ、私としては現時点では#2015よりも気に入っているフレークタバコです。上手く説明出来ないのが残念ですが、マクレーランド愛用者であれば、なにかの注文のついでに思い出した時に少し買ってみても面白いかと思います。しばらくは常喫の一角になるかとは思いますが、とは言え大傑作VaPerの#2015とはベクトルの異なるタバコなので、#2015を全く吸わなくなるというような事もなさそうです。
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コメント
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Re: タイトルなし
毎度どうも。
No.25 Mixtureはまだ吸った事が無いですねえ。
ブレンド内容としては私の好みに合いそうなので気になります。
アメリカの東海岸や五大湖周辺のショップのタバコも
調べてみると意外な名作がありそうですよね。
やはり、こちらも気になります。
個人的にはシリアンの枯渇よりも意外とヴァージニアブレンドの選択肢が
限られてきたことに危機感を感じてはいます。
特にフレークが生産可能な工場がデンマークのオーリックとマックバレン、
ドイツのKohlhase, Kopp und Co.(K&K)の系列,英国のレイクランドの2社とジャーマイン、
そしてアメリカのマクレーランド、と手に入るのは大体このぐらいでしょうか。
一見は多種多様に選べる感覚はありますが、
元々のロンドン周辺の高級どころで売っていたような
タバコがごっそり消えている、ような気もするのです。
まあ、これは私の勘違いや幻想に過ぎないのかもしれませんが、
マレイやオグデンの工場が操業していた際はもっと別の路線の
ヴァージニアもあったのではないかな、、と。
それらの銘柄の多くを引き継いだドイツのK&Kは頑張っているとは
思いますが、違うブランドでも似た感じになってしまう
傾向はあると思いますし。
そんな中でジャーマイン生産のEsotericaが昔の英国の高級銘柄は
こんな感じだったのかなあ、、と妄想を膨らませながら楽しんでいた
訳ですが、、大方の銘柄はかなりレアな扱いに・・・。
10年くらい前はDorchesterやDunbarの8ozパックをよく買いましたが、
確か25ドル前後しかしなかった訳で、、
そういう点では昔を懐かしんでしまいます。
ま、昔は良かった、と嘆く事は慎みたいと私は考えていますので、
今現在で最高でなくとも最良の選択で楽しんでいきたいところです。
No.25 Mixtureはまだ吸った事が無いですねえ。
ブレンド内容としては私の好みに合いそうなので気になります。
アメリカの東海岸や五大湖周辺のショップのタバコも
調べてみると意外な名作がありそうですよね。
やはり、こちらも気になります。
個人的にはシリアンの枯渇よりも意外とヴァージニアブレンドの選択肢が
限られてきたことに危機感を感じてはいます。
特にフレークが生産可能な工場がデンマークのオーリックとマックバレン、
ドイツのKohlhase, Kopp und Co.(K&K)の系列,英国のレイクランドの2社とジャーマイン、
そしてアメリカのマクレーランド、と手に入るのは大体このぐらいでしょうか。
一見は多種多様に選べる感覚はありますが、
元々のロンドン周辺の高級どころで売っていたような
タバコがごっそり消えている、ような気もするのです。
まあ、これは私の勘違いや幻想に過ぎないのかもしれませんが、
マレイやオグデンの工場が操業していた際はもっと別の路線の
ヴァージニアもあったのではないかな、、と。
それらの銘柄の多くを引き継いだドイツのK&Kは頑張っているとは
思いますが、違うブランドでも似た感じになってしまう
傾向はあると思いますし。
そんな中でジャーマイン生産のEsotericaが昔の英国の高級銘柄は
こんな感じだったのかなあ、、と妄想を膨らませながら楽しんでいた
訳ですが、、大方の銘柄はかなりレアな扱いに・・・。
10年くらい前はDorchesterやDunbarの8ozパックをよく買いましたが、
確か25ドル前後しかしなかった訳で、、
そういう点では昔を懐かしんでしまいます。
ま、昔は良かった、と嘆く事は慎みたいと私は考えていますので、
今現在で最高でなくとも最良の選択で楽しんでいきたいところです。
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Re: タイトルなし
どうもどうも。
まあ、確かに今後の伸びに期待するのは難しいですからねえ。
これからは、クラフトビールやマイクロディスティラリーのような感覚での
生産に移ってゆくのではないか?と私は考えていますが。
ただ、ある程度の大規模生産でなければ出来ない味というのもある、
とは思いますのですべてを小規模で補完するのは難しいかもしれません。
恐らくは英国製パイプタバコの一大転機はマッコーネルの工場の閉鎖が決定した
時でしょうか。詳しくはMarble Arch, Ltd.が企画して頓挫した、
Elephant & Castleの紹介ページに書いてありますが、本当に惜しいと思います。
http://www.serjacopo.com/e%26c/E%26C_000.html
ただ、ここ15年くらいでも大分変ったような気もします。
日本における珍銘柄、ロバートルイス123も味が変わった気がする、
という意見を何年か前から聞いたような気もしますし、
いろいろ知らないところで変わっているのかもしれません。
ちなみに、この文章はマレイ製ダンヒル965を吸いながら書いていますが、
今と比べて味が変わっているのは気のせいでは無い、でしょうねえ。
無論、経年変化もあるので自信をもって昔の製品の方が良い、
とは言いきれませんが。
ただ、この賛否両論のしつこい甘さは今の製品には無い、とは思います。
まあ、確かに今後の伸びに期待するのは難しいですからねえ。
これからは、クラフトビールやマイクロディスティラリーのような感覚での
生産に移ってゆくのではないか?と私は考えていますが。
ただ、ある程度の大規模生産でなければ出来ない味というのもある、
とは思いますのですべてを小規模で補完するのは難しいかもしれません。
恐らくは英国製パイプタバコの一大転機はマッコーネルの工場の閉鎖が決定した
時でしょうか。詳しくはMarble Arch, Ltd.が企画して頓挫した、
Elephant & Castleの紹介ページに書いてありますが、本当に惜しいと思います。
http://www.serjacopo.com/e%26c/E%26C_000.html
ただ、ここ15年くらいでも大分変ったような気もします。
日本における珍銘柄、ロバートルイス123も味が変わった気がする、
という意見を何年か前から聞いたような気もしますし、
いろいろ知らないところで変わっているのかもしれません。
ちなみに、この文章はマレイ製ダンヒル965を吸いながら書いていますが、
今と比べて味が変わっているのは気のせいでは無い、でしょうねえ。
無論、経年変化もあるので自信をもって昔の製品の方が良い、
とは言いきれませんが。
ただ、この賛否両論のしつこい甘さは今の製品には無い、とは思います。
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Re: タイトルなし
どうもどうも。
まあ、ここまで来てしまっては、今を楽しむ方向に全力でシフトする
方向が健全、、なんでしょうねえ。
そういう点で今現在頑張っているのはマックバレン、マクレーランド、
コーネル&ディール、、といった銘柄になるのでしょうか。
個人的にはマックバレンのタバコはかなり好印象です。
着香、ヴァージニア、ラタキア、、と、どのジャンルでも高品質。
そして、どれもそこそこ吸い易いのがいいですね。
ただ、私がまだ慣れていなかった頃はあまり好みではありませんでしたが。
実はちょっと慣れた中級者にこそ向いている銘柄なのかもしれませんが。
自分の好みはダークツイストで、
これこそもう少し普及してもいいんじゃないか、
と思います。
まあ、ここまで来てしまっては、今を楽しむ方向に全力でシフトする
方向が健全、、なんでしょうねえ。
そういう点で今現在頑張っているのはマックバレン、マクレーランド、
コーネル&ディール、、といった銘柄になるのでしょうか。
個人的にはマックバレンのタバコはかなり好印象です。
着香、ヴァージニア、ラタキア、、と、どのジャンルでも高品質。
そして、どれもそこそこ吸い易いのがいいですね。
ただ、私がまだ慣れていなかった頃はあまり好みではありませんでしたが。
実はちょっと慣れた中級者にこそ向いている銘柄なのかもしれませんが。
自分の好みはダークツイストで、
これこそもう少し普及してもいいんじゃないか、
と思います。
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Re: タイトルなし
どうも。
ああ、何となくわかりますねえ、、その気持ち。
自分は狙ってでは無く、たまたまビンテージタバコが
手に入るという事はあります。
無論、美味いタバコである事を期待して買う訳なのですが、
逆に現在売られているタバコの吸い味を超えてもらっては困る、
と考える自分がいることも否定できません。
まあ、やはり現行品を楽しむ方針で楽しみたいところです。
大体の察しはついてきたとは言え、
まだまだ試していないタバコも多いですから。
ああ、何となくわかりますねえ、、その気持ち。
自分は狙ってでは無く、たまたまビンテージタバコが
手に入るという事はあります。
無論、美味いタバコである事を期待して買う訳なのですが、
逆に現在売られているタバコの吸い味を超えてもらっては困る、
と考える自分がいることも否定できません。
まあ、やはり現行品を楽しむ方針で楽しみたいところです。
大体の察しはついてきたとは言え、
まだまだ試していないタバコも多いですから。
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Re: タイトルなし
こんばんは。
確かにありますねねえ・・・知識が増える故の問題というのは。
基本的にはそれが楽しいからやめられないのですが。
その点では自分は基本的にはVAブレンドを中心に吸っていて、
ひと昔ほどでは無いにせよ、そこそこ優れたタバコが現状で手に入るので、
ある意味では恵まれているのかもしれません。
言うなれば「沼から脱出した」とでも言いますか。
ただ、不思議な物であらゆる趣味は沼どっぷりハマった状態が
一番楽しい気もするんですよねえ・・・これが。
確かにありますねねえ・・・知識が増える故の問題というのは。
基本的にはそれが楽しいからやめられないのですが。
その点では自分は基本的にはVAブレンドを中心に吸っていて、
ひと昔ほどでは無いにせよ、そこそこ優れたタバコが現状で手に入るので、
ある意味では恵まれているのかもしれません。
言うなれば「沼から脱出した」とでも言いますか。
ただ、不思議な物であらゆる趣味は沼どっぷりハマった状態が
一番楽しい気もするんですよねえ・・・これが。
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Re: タイトルなし
どうもどうも。
確かに、これからはシリアンラタキアファンには辛い時代になってくるのかもしれませんねえ。
残念ながらアレの代用品という物は未だに無いようですし。
となると買える内に買う、というのも選択肢としては大いにアリなのかもしれません。
確かに、これからはシリアンラタキアファンには辛い時代になってくるのかもしれませんねえ。
残念ながらアレの代用品という物は未だに無いようですし。
となると買える内に買う、というのも選択肢としては大いにアリなのかもしれません。
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