JT : SILK ROAD2

さてJTのタバコもマックバレンに生産委託されてもう結構な年が経ちました。これからはむしろJT製のJT銘柄の味について知らない方の方が多くなってくるのかもしれませんね。今回はあまり語られることがないシルクロードについてレビューしてみます。
さて、そのレビューの前に良い機会なので、ここで日本専売公社のパイプタバコをまとめてみます。
1. 桃山 昭和9年 (1933年)
2. 日光 昭和24年(1949年)~38年(1963年)
3. ロックン・チェアー 昭和47年(1972年)
4. 飛鳥 昭和48年(1973年)
5. ビッグホーン 昭和51年(1976年)
ビッグホーン・アプリコット・ブランデー
6. プロムナード 昭和54年(1979年)
7. シルクロード 昭和59年10月
8. カピート・スーパーライト
カピート・メローライト
カピート・メンソールライト
9. フォレスト・レギュラー
フォレスト・ウイスキー
いくつか消えた銘柄やバリエーションもあったらしいですが、概ねこのような順番に発売されていったようです。


まず、初の桃山は一応はイングリッシュミクスチャーを意識した製品との事。これは戦前ポピュラーだった英国製のタバコに対抗したものだと思いますが、その解釈は今考えるとかなり独特ですね。ただ、大昔の資料には英国タバコに近いとも書いてあったりもするので、戦前のレシピ通りに平成まで生産されていなかったのかもしれません。その名残なのか、JT製の缶入り桃山は意外と重くどっしりとした吸い味だったように思えます。
戦後に作られた初のパイプタバコは箱入りの日光というパイプタバコだったようです。これは恐らくは戦後の闇流通タバコでポピュラーだったラーレーやプリンスアルバートといったアメリカ製のタバコを意識したものでしょう。桃山に比べて格段に安いのが売りだったようですが、味の方はいまいちだったようで、廃止されています。
(写真はたばこと塩の博物館の展示物と『新編 酒のみとタバコ党のバイブル,自由国民社,昭和29年』、より。)
さてここまでが70年代より前の銘柄でここから先は70年代以降の銘柄。旧専売公社のタバコは70年代半ばを過ぎてから発売された銘柄の方が多いです。これは国民の生活が安定し、当時そこそこパイプタバコの需要が上がってきたのだと思います。70年代初の銘柄はロックン・チェアー。バーレー入りココア着香でこれも昔で言うところのアメリカタイプの典型でしょう。そして4作目が初の日本製ラタキア入りイングリッシュミクスチャーである飛鳥。ここでようやく専売公社初の高級パイプタバコの開発に成功したと言えそうです。
1976年にはビックホーンが発売されました。恐らく目指したのは、当時主流になりつつあったヨーロッパ製の着香タバコでしょう。明らかにアンフォーラやボルクムリーフを意識していたように思えます。ただ、スモーカーの嗜好を流れを読み切れなかったのか、それ故に開発に手間取ったのか、発売年はちょうど日本のダニッシュパイプブームが下り坂を迎え始めた時期と重なります。ただ、このタバコ以降、専売公社製のパイプタバコは所謂ヨーロッパタイプを目標とした製品開発にシフトしているようで、ここが一つの転機と言えるのかもしれません。
1979年にはプロムナードがシガレットと共に発売されていますが、これはアメリカタイプの銘柄との事。やはりバーレー中心の着香タバコというのもそこそこ需要があったということなのでしょうか。
異色なのは80年代の末頃に発売されたカピートの2種。これは同時発売の超小型パイプ「カピート」との連携商品で、若年層に販路を求めた結果の商品展開とも聞いています。ブレンドとしてはブラックキャベンディッシュを使用したヨーロッパタイプとアメリカタイプの中間点を狙ったという感じになるのでしょうか。今でもJT製のスーパーライトを保存していますが、真っ黒なタバコです。
そして現段階では最後となったのがフォレスト。これがある意味旧専売公社のブレンダーの考えたヨーロッパタイプブレンドの集大成と言えるのかもしれませんが、あまりレビューに関して聞きませんし、私自身も吸う機会がありませんでした。
さて、こうして振り返ってみるとかなり時代に流されながら作っていた感じもします。どうにもコンセプトから完全にオリジナルで作られたブレンドが桃山と飛鳥の2種だけだったようにも思えますし。個人的に惜しいと思うのは、結局最後までヴァージニアブレンドを製品化しなかった事です。早い話、ピースをベースにしたパイプ用ミクスチャーを販売出来なかったのだろうか?とは未だに思っていますが、需要が限られていたので難しいのでしょうね。
さて、本題のシルクロードは昭和59年(1984年)に発売されたタバコです。オリエント葉を使用しているので、そこからシルクロードという名前になったそうですが、このタバコもヨーロッパタイプ、特にオランダ製のアンフォーラのようなタバコを目指したのではないかとは思います。1987年ごろには日本のパイプタバコとしては珍しくシガレット化されましたが、CFのキャッチコピーは何故か「バージニア葉とバーレー葉の深み。」となっていて、オリエント葉については無視されているます。


現行品はマックバレン製ですので、Made in Denmarkとパッケージに入っています。変更後は何故か「烟遊」と書かれていますが詳しい意味はわかりません。「烟」とは大陸の方では煙草の意味があるようですが、シルクロードのイメージに合わせた文字なのでしょうか。
葉組については書いてありませんが、ヴァージニア、バーレー、オリエントの三種にバニラ着香との事です。基本的にはマックバレン製になっても構成は変わっていないようです。

中身はこのような感じです。着香臭さは感じますが、そこまで強くもないでしょう。それほど湿ってもいませんし、簡単にほぐれます。
吸い味は軽いですね。バニラ着香との事で、確かにそのような匂いはするのですが、そこまで強くはありませんし、オリエント葉の土臭さが全面に出ているといるという訳でもありません。ですが、その二つの要素がマックバレンの良質なヴァージニアの甘味を上手くサポートしているようです。一体感のある吸い味が楽しめます。少し取っつきにくい印象もありますが、それだけに落ち着いた味わいとも言えるでしょう。よくロングスモーキング選手権で使用される理由もなんだかわかるような気もします。
ではJT製とはどう違うのか?となると記憶が結構前になるので明確には断定出来ませんが、ベースとなるヴァージニアが全く異なっているような気がしてなりません。どうにもこの特徴的なヴァージニアの味が全体に影響をあたえているようですが、むしろこれがこのタバコの良さなのかもしれません。
言うなれば着香タバコと非着香タバコの中間点といったところです。初心者のステップアップ用のタバコに最適と言えそうな感じではありますが、ちょっと特徴が掴み辛いかもしれません。逆にベテランの方こそこういうタバコをたまに吸うと面白いのではないかと。軽く甘く、吸いやすいので年齢や体力に関係なく昼から吸えるタバコでしょう。
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