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England's best pipe value

Mac Baren : the solent mixture

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今や世界最大級のパイプタバコ生産地となったデンマーク。様々なOEM品も生産しており、パイプだけではなくタバコの方も本家のイギリスを追い抜いたと言えるでしょう。北欧のタバコといえば着香というイメージが強いような気がしますが、中にはこういうタバコもあるのが面白いです。

私が以前から疑問に思っていたのはヨーロッパタイプという区分です。これまでにいろいろな資料で出てきたこの用語ですが、おおまかにまとめると、
・着香
・ヴァージニア、オリエントが多い
・イギリスタイプとアメリカタイプの中間
・オランダ・コンチネンタルタイプとダニッシュ・スカンジナビアンタイプの2系統がある
・前者はイギリスタイプ寄りで着香弱め、後者はアメリカタイプ寄りで着香強め
このような感じかと。
ただ、オランダ製のパイプタバコがあまり主要とは言えなくなった現在としては、この区分は少々難があるのかもしれません。この区分自体が日本のみの呼称じゃないかという事は置いておいて、皆が頭の中に浮かべるヨーロッパのパイプタバコというものがあるのではないでしょうか。
私の中では
・着香強め
・香料の違いで多数の種類を構築
・キャベンディッシュが多い
まあ、このような感じで、簡単に言えばバーレーではなくキャベンディッシュ中心の着香という認識です。
いつから始まったのか?もしくはなにが契機になって広まったのか?そのあたりの経緯について興味はあるのですが、詳しい資料があまりにも少ないです。それよりも、実際のヨーロッパではどのようなパイプタバコが主流だったのか?という単純な疑問もあります。こればかりはオランダやデンマークのパイプクラブの古参メンバーにでも聞いてみるしか無さそうですが。
恐らくはスウェーデンのSvenska Tobak ABがドイツのブレンダー、Rudiger L. Willに依頼して完成したボルクムリーフが北欧でアロマティックが主流となった契機の一つだろうとは思いますが、これが発売されたのが1969年。このあたりの年代と日本におけるダニッシュパイプブームが丁度重なっており、シェアが大きく変わったのがこのあたりの年代なのではないか?と個人的には考えていますが。

では、デンマークは最初から着香ばかりだったのか?となると必ずしも全てが全てそうではなかったのではないか、と。例えばPaul Olsenのブランド、My Own Blendや現在の最大手マックバレンの古いブレンドにはイングリッシュミクスチャーが結構な数であります。面白いところではPaul Olsenがデンマーク王、フレゼリク9世用にブレンドした、English Mixture Kong Frederik IX はヴァージニア+ラタキアのイングリッシュミクスチャー寄りの製品のようです。ちなみに自分が疑問を持つきっかけになったのはラールセンのフレイクカットを吸ってからです。確かにこれは蜂蜜とラムの着香タバコには違いありませんが、吸い心地はヴァージニアフレーク寄りでした。
英国は法律でタバコに香料を用いるのが禁止されていたので非着香が生き残り、ヨーロッパ諸国は逆に香料を多用したタバコが増えた、というのも確かにそうなのかもしれませんが、だからといって全てが全てアロマティック寄りの製品に特化されていた訳でもないでしょう。むしろタバコ自体の旨みを引き出す為に僅かに着香したという銘柄があってしかりです。オーリックがイングリッシュミクスチャーのノウハウが全く無しにダンヒルのタバコのOEMを生産出来る訳がありませんし。

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さて、今回紹介するのはそんな60年代以前に作られたデンマーク製イングリッシュミクスチャーの生き残りといった感じの製品。マックバレンは以前、ダークツイストを紹介しましたが、ラインナップの中でノンアロマティック寄りの製品も多いです。今でこそ7seasやベルベットといった典型的なアロマティックを増産していますが、70年代以前の古参ブレンドは微着香タバコが多いようです。その中でもマックバレン社が今の形態になってからの初のブレンドがこの1950年発売のソレントだったようです。しかし、現在売られているマックバレンの最古のブレンドがラタキア入りイングリッシュミクスチャーというのは、今となっては意外な気もしますね。マックバレン初の本格ブレンドだけに思い入れがあるのか、かなり詳細な説明が公式サイトにあります。
まあ、要するに「臭くないラタキア入りタバコ」というのがコンセプトなんでしょう。昔はラタキアが半分以上入っているタバコも結構吸われていたが、周りが臭くなるので、迷惑にならない程度のラタキアでなおかつスモーカーに満足して頂けるようなブレンドというようなことが書いてありますね。その当時のやや高級なパイプタバコではラタキアが今以上にポピュラーだったのかもしれません。

その結果、導き出されたブレンド配合が面白いです。
箇条書きにしてみると
 9種類のヴァージニア :75% sweetness
 シリアンラタキア    :15% strength
 キャベンディッシュ   :10% bitter smoked flavour
 ケージングソース    :ジャマイカンラム
というようになります。
ヴァージニアとラタキアを結合させる為にキャベンディッシュを配合して、ラムで仕上げた、という事のようです。一見は普通ですが、よく見てみると結構変わったブレンドになっています。まず、オリエント葉が使用されていない点。この手のブレンドでは必ず入っていそうな感じがしますが、説明を読む限りでは入っていないようです。他にも今では珍しいシリアンラタキアを使っていることも注目する点でしょう。マックバレンはHH VINTAGE SYRIANというタバコも発売しているので、何か特別な思い入れがあるのかもしれません。さらに、マックバレン秘伝のケンタッキー葉を加熱処理したキャベンデシッシュも重要な点ですね。説明によればbitter smoked flavourとの事ですがこれも気になります。個人的な経験で言えばラタキアこそスモークフレーバーで強さというようなイメージはあまり無いのですが、何故そういう説明なのかは良くはわかりません。

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缶を開けるとこんな感じです。100グラムなのでかなりギッチリと詰まってます。

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バラしてみるとこのようになります。薄く柔らかい葉で、湿り気もそれなりにあります。臭いはなんといいますか、表現するのは難しいです。嗅いでみてほんのりラタキアの香りはしますが、そこまで支配的でもありません。かといってラムの香りが強く漂っている訳でもありませんが。葉も香りもよく混ざっている感はあります。

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まあ、どれだけ情報があっても吸ってみないことにはわからないのがパイプタバコ。そういう訳でいろいろなパイプで試してみましが、見た目以上に吸い味も変わっています。7割以上もヴァージニアではこれはイングリッシュミクスチャーでは無く、ヴァージニアブレンドの範疇なのではないか?とも思えるのですが吸い味は全く違います。確かに、ヴァージニアの甘さが良く出ているのですが、シリアンラタキアの芳香も予想以上に主張してきます。ラムのケージングについてはよくわかりません。あくまでも薄くクセを無くす為の処置で着香とまではいかないようです。デンマークタバコらしく火付き火持ちはすこぶる良く、いとも簡単にそこまで灰に出来ます。
これは、かなり上品なタバコですね。煙の香りも、舌に感じるほんのりとした甘さも素晴らしく、私としては大満足。あえてオリエントを使わずにキャベンディッシュを使う点が上品で個性的になった要因なのでしょうか。どういう訳か1961年製のダンヒル・ブリュイエールで吸った時が一番しっくり来ました。

ですがやはりこの手のタバコは誰にでもお勧め出来るとは言えないでしょう。ラタキアを前面に押し出したブレンドでも無く、ベタっと甘いヴァージニアブレンドという訳でも無い訳で、どうにもこの大人しすぎる味はわかり辛い感が拭い切れません。強さの数字は3との事ですが、そこまで重いタバコではないでしょう。むしろ軽いタバコと言ってもいいのではないでしょうか。ただ、軽いというのは利点でも あり欠点でもあります。要するにパンチに欠ける傾向は否定出来ないかと。それだけにブレも大有りです。パイプによってはタダの味のしないタバコに 成り下がります。このブログで良く出てくる感想になりますが、火付きも火持ちも良く、吸うこと自体はかなり簡単とは言え、味を引き出すのは難しいような気がします。シリアンラタキア使用との事でラタキア感を期待して買うと後悔する可能性は大でしょう。恐らくは同じマックバレンのバニラクリームを吸っていた頃の自分にこのタバコを吸わせてみたら、味が薄いだけでよくわからないタバコだなあ、、と感じたかもしれません。

まあ、今回はマックバレンでもこういう変り種タバコがある、ということが判っただけでも大収穫と言えそうです。マックバレンは大手だけに深く語られる事があまり無いような気もしますが、探してみるとまだまだ面白いそうなブレンドがありそうですね。マックバレンは品質が高い割りには米国価格での100g缶の値段はそれほど高いものではありませんので、遊びで1缶冒険してみるのも悪くはないかと思います。

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コメント

マクバレン

sqさんが当blogでDark Twistを紹介されてから、個人的にマクバレン再評価が急激に進んでいます。

H&H vintage syrianに見られるように、世界的にもレギュラーラインにシリアン・ラタキアをまだ使用している数少ないメーカーでもありますし、Dark TwistやNavy Flakeに見られるように、古風なVa系ブレンドにも優れたものがあるのはかなりマクバレンの一般的なイメージとかけ離れているのではないでしょうか。少なくとも着香ヨーロッパ系がメインのメーカーとは言えないのではないかと。主力製品であり世界でもっとも売れている銘柄MacBaren Mixtureだって微着香のスコティッシュ・ミクスチャーですし。

今回紹介されているSolent Mixtureも非常に興味があります。なんか名前からして古風な英国煙草という感じもしますね。

Re: マクバレン

どうもどうも。
ちょっと前まではPeter Stokkebyeが一押しデンマークタバコでしたが、
最近はマックバレンも面白いなあ、、と思っております。

そうですねえ、、考えてみれば主力のマックバレン・ミクスチャーもヴァージニアNo.1も
どちらかと言えばノンアロマティック寄りの製品ですよねえ。
ちなみに自分がパイプを吸い始めた頃にこれはちょっと吸いづらいなあ、、
と思ったタバコは、このマックバレンのゴールドオブデンマークでしたが、
考えてみれば非着香寄りのタバコ感の強さ?に慣れていなかったせいもあったのかなあ、、と。
今だと美味しく吸えたのかもしれませんが。
他にも興味があるブレンドはありますので、このコスパの良さであれば今後も買う機会はありそうです。

Dark Twistもそうですが、マックバレンはとても効果的にキャベンディッシュを使いますね。独特の苦味がブレンドを引き締めている印象です。Solent Mixtureもキャベンディッシュを使っていて興味があります。

私が最近気になっているデンマークのタバコにこんなのがあるんですが、
http://www.danishpipeshop.com/product.asp?product=81
人に頂いて吸ったのですが、驚くほど美味い煙草でした。
これもキャベンディッシュが良いアクセントになっていて、私もヨーロッパタイプという区分があるとしたら、着香にかぎらずキャベンディッシュを効果的に使用していることが条件なのかな、などと思いました。

Re: タイトルなし

どうもどうも。
私の感想も概ね同じでデンマークのタバコの肝は、
独自のキャベンディッシュにあるのではないか?と考えています。
そこに着目してみると北欧の微着香、非着香タバコは
なかなか面白いのではないかなあ、とは思うのですが。

私もとしてもMy Own Blendの製品はかなり気になっているんですよねえ。
デンマークのその手のタバコの大御所ですし。
特に気になっていたのはNo. 333。
http://www.danishpipeshop.com/product.asp?product=54
一部では定番ヴァージニアフレークだったらしいのですが。
ラールセンのフレイクカットが日本に輸入されなくなった際に
なにか似ているタバコは無いだろうか?という話が話題になった際に、
このタバコがひょっとしたら近いのではなかろうかという事で興味が出ました。

ひと昔前は日本でも高級タバコとして売っていたらしい、
My Own Blendですが数年前まではアメリカの大抵のショップで
100g9.99ドルくらいと廉価で買えました。
どういう訳か輸入がストップしているのか今やデンマークぐらいでしか見かけませんね。
その頃はEsoterica一辺倒だったので、まあまた今度買えばいいか、と
注文を先延ばしにしていたら買う機会を失ってしまったという訳です。
後になってから余計に興味が出てしまうというのはなんとももどかしいところ。

こういう事って他にも結構ありまして、他にも気になっていたタバコの中では
A & C PetersenのPremier Cru
http://www.danishpipeshop.com/product.asp?product=393
もそうで、これは日本だとパウチで40g750円で売っていました。
その気になれば簡単に買えたのですが、その頃はまだまだ試行錯誤中で、
こういう微妙そうなブレンドには全く興味がありませんでした。
まあ、多くのスモーカーに受け入れられなかったのが災いしたのか
今では売っていませんね。
今は逆に是非とも吸ってみたいのですが。
そりゃあまあ、デンマークのショップに発注をかければ買えるのは判ってはいる
のですがそこまで手間とお金をかけられないというのも本音でして、、、
今後はこういう事が無いようにしたいものです。

My Own Blendって日本や北米でも売っていたんですねぇ。
Premier Cruは、かつて常喫していたという人も知り合いに居て、私も気になってます。
で、
これもよい機会だからと、Dark flakeとPremier Cruを発注してみましたw
到着したら一緒に吸ってみましょう。

Re: タイトルなし

おー、流石に行動が早いですねw
特にDark flakeの方は気になりますねえ。
なかなか複雑なブレンドのようですし。
機会があれば1ボウル吸わせて頂ければありがたいです。
ではまたお会いしましょう。

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