TSUGE : IKEBANA SⅡ

久々の更新になりますが、元気にパイプを吸う毎日です。今回は最近良く吸うパイプ、イケバナの竹継ぎパイプを紹介します。イケバナは自分の中では気にはなっていたけどなかなか手にする機会がなかったブランドの一つですね。これは以前ひょんとな事で手に入れることになった古い製品です。
イケバナは言わずと知れた柘製作所のハンドメイドパイプ。販売開始時は複数の作家さんが在籍していたようですが、現在は福田和弘氏お一人で作られているようです(注:その後、若手と超ベテランの作家さんが加わり3人態勢になりました)。最近はテレビ番組でも取材されていたので、知名度はより高くなったのかもしれません。ただ、その知名度の割りには日本国内でのレビューはあまり聞きませんね。イケバナはむしろ海外市場での評価の方が高いのでしょうか。元々が輸出用につけられた名前ですし。そういう訳のその実力はいかほどのものなのか?パイプを始めた当初から気になっていたのですが、こうして試す機会が訪れるとは思ってませんでした。

刻印はこの通り。SⅡというのはグレードを示しているようですが、詳しいことはわかりません。数字は製作年とその年の製作パイプの通し番号だったと思います。これは1981年の134番目の製品という意味でしょうか。30年前のパイプにしてはかなり綺麗に使われていたパイプようです。

見ての通り、かなりシンプルなシェイプです。恐らくはダニッシュハンドメイド、、特にヨーン・ミッケやエミール・コウノウィッチの作品に影響されたものかと。特徴としては、ハンドメイドパイプとしては珍しいかなり小さなサイズという点です。全長125mm程度、チャンバー径約20mmとそこまで小さいという訳では無いのですが、シャンクの径はシガレットよりも細いです。このサイズは珍しいですね。
バンブー継ぎ、というのは何処が発祥のデザインなのかは知りませんが、かなり昔からあるディテール。普及した要因はシクステン・イヴァルソンを初めと したダニッシュハンドメイド黎明期の作家達の影響なのでしょうけど、ダンヒルでもありますし、意外なところではアメリカのYello-Boleでもバンブーはありました。少なくとも日本発祥の継ぎ素材では無い、、とは思います。ですが、これほど日本的な素材も無いでしょう。日本では釣竿や急須の取っ手、傘のグリップなど至るところで見かけますし、工作用の材料もダイソーですら見かけることがあります。そのせいか柘製作所は自社のパイプに多数採用していますね。今やパイプ用の根竹のサプライヤーでもある訳で、ある意味同社の十八番といえる程の定番技術になったのかもしれません。バンブー継ぎパイプを量産しているメーカーは世界的にも珍しいですし。


工作精度は流石に素晴らしいもの。一見は小型パイプ故に煙道が細くて扱いづらそうな印象がありますが、この細いステムとシャンクにBJ LongのEXTRAサイズのモールが簡単に通る太さの煙道が開いています。ステムのテノンは強度的に不安があったのか金属にして、シャンク全体を補強しています。とは言え、踏みつけたら簡単にポキっと折れてしまいそうではありますが。ステムは華奢な造りなのであまり強くは噛めませんが、全体的に軽いので特に問題は無いでしょう。


このパイプの最も注目すべき点はこのサンドブラストでしょうか。高品質のプラトーを使用してリンググレインを狙ったのでしょうけど、ここまで綺麗に出てくるのも珍しいような気がします。正直なところ本場のダニッシュハンドメイドでもあまり綺麗なブラストは無く、その亜流的な流れで始まった日本のハンドメイドパイプには、自分が好みの深く派手なブラストは無いのではないかと考えていたのですが、このパイプに関しては文句無しに格好の良い表情だと思います。

むしろ現在の北米のハンドメイドパイプの様な表情です。ステインも真っ黒ではなく、微妙に茶と黒のコントラストになっているのもいいセンスですし。これはたまたまやってみたら出来ました、というような物ではないでしょうね。今でもやろうと思えば可能なのでしょうか。この仕上げは今だからこそ評価されるのではないか?と思います。
吸ってみた感想は・・・なんと言いますか、銜え心地、吸い心地、触り心地、、全てにおいて上質。煙を自由自在に操れるぐらいに吸いやすいですし、味も意外な程濃い目。何度か喫煙しているうちにどんどん良くなってきました。特にヴァージニアの甘味が良く出るパイプです。ヴァージニアフレークを固めに詰めてやるといい具合に味が出ます。ちなみに小さくともチャンバー径も煙道径も十分に確保されているので、普通に1時間半~2時間程度の喫煙は可能。単なる小型パイプでは無いことは確かです。
総評としては文句無しに良く出来たハンドメイドと言えます。こういう小粒ながら高級感のあるパイプというのも面白いのではないでしょうか。特にサンドブラストに関しては圧巻の一言で、このような仕上げが昔からあったのにはちょっと驚きました。軽く吸いやすいので野外で花見でもしながら吸うとすごく気分の良いパイプなのですが、やはりこの華奢な造りが不安要素ではあります。ですので持ち歩く際には結構気を使い、これが唯一の欠点といったところです。
まあ、今現在のイケバナがどういうものなのかは今の私にはわかりませんが、かなり昔の時点で相当高度なパイプを作っていた、ということはわかりました。機会があれば新旧イケバナの吸い比べもやってみたいところです。
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コメント
Re: タイトルなし
どうもどうも。
更新はしばらくストップしていましたが、タバコは毎日楽しんでます。
色々と書きたい事はありますし、その構想もあるにはあるのですが、
まとめるのがいろいろと難しいくなってしまいまして。
今後はそこそこペースを上げ気味で更新したいところです。
更新はしばらくストップしていましたが、タバコは毎日楽しんでます。
色々と書きたい事はありますし、その構想もあるにはあるのですが、
まとめるのがいろいろと難しいくなってしまいまして。
今後はそこそこペースを上げ気味で更新したいところです。
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更新、楽しみにしていました。