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England's best pipe value

PIPE-DO : Bulldog

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外見は兎も角、廉価で吸い味が良いパイプは無いものか・・・と考えるのは初心者~中級者ぐらいのパイプスモーカーにありがちな傾向だと思うのですが、探してみると結構難しいものです。そもそも美味いパイプとは何ぞやという定義自体が曖昧なものですしね。まあ、細かい事は抜きにして、近年では珍しく単純に廉価さと美味さをアピールしていたのがこのパイプでした。

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ぱいぷ堂は兵庫県西宮市にあったパイプ専門店。一時期は実店舗もあり、毎年海外作家を招聘したパイプショーもやっていましたが、主な販路はインターネットでしょう。今、パイプを楽しんでいる方の中で、ここでパイプを購入した方も結構居るのではないでしょうか。

このぱいぷ堂さんでの売れ筋だったと思われるパイプはNeerup、Moretti、Lee von Erik、E. Andrew 、Peter Heeschen、Paolo Becker、Jan Zeman、、といった面々。ほとんどが日本初輸入の作家さんで、あまり選択肢の無かった当時としてはかなり新鮮味があったのではないかと思います。

その中でも人気があったのがこのぱいぷ堂ハウスパイプでした。コンセプトを一言で言えば「安くても高品質で美味いパイプ」といったこところ。具体的に言えば、
・ コルシカ産(だったと思う)の良質なブライヤーを使用
・ デンマークのパイプ作家にクラシックシェープをある程度まとめて発注してコストを削減
・ クリーナー(モール)が簡単に通る程度の工作精度は維持
といった感じ。今では考えられませんが、10数本の入荷が数日で完売なんてこともザラだったように記憶してます。まあ、具体的なディテールというよりも、吸い味への自信、、場合によっては国内で3万近くするパイプよりも美味いかもしれない、、というようなセールストークで飛びついた方も多いのではないでしょうか。数年前は現在のように情報が豊富ではなかったので、なにかしらの期待感、安心感というのが必要だったのかもしれません。

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いくつかのバリエーションがありましたが、第一弾はこのブルドックでした。何故、最初がビリヤードではなくブルドックだったのかは良くわかりませんが、確か作者の得意シェイプかなにかだったように記憶しています。写真の通り、結構小さなパイプで、このあたりも日本市場を意識して製作されたようです。

さて、このパイプを作っていたのはデンマークのRefbjerg Rasmussen氏のようですが、諸般の事情故か公式に発表した事は無く、詳細にどのような作家であったのかはよくは知りません。Pipediaの説明を読む限りではダニッシュパイプブームを影で支えて来た作家といった感じだったのでしょうか。最近まではFrenchy's Pipesというアメリカのパイプショップでよく見かけましたが、このお店自体も閉店してしまったので、この作家の作品を目にする機会はたまにebayに出てくる中古品ぐらいになってしまいました。過去の作品についてはFine Pipesでラールセン時代の物が数点売られていたりもします。

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ステムはアクリル製。ちょっと厚めではありますが、造りも銜え心地も必要十分なものです。あと、この価格帯ではなかなか無かった太めな煙道なのも重要な点です。実際のところ、多くのスモーカーは無駄なギミックよりも、単純に太めの煙道が真っ直ぐにチャンバーの底に開いているパイプを欲していたように思うのですが、この価格帯では意外と少ないものです。

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ハンドメイドパイプと言いましてもこのパイプはグレインを見て楽しむようなパイプではありません。ご覧の通り、グレインとしては結構寂しいものです。これはそういうコンセプトで作られた物ではないとしか言いようが無いのでしょう。

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ただ、廉価なパイプだっただけに全体的に見るとややシェイプに歪みはあります。特にブルドックというシェイプ故にダイヤモンドシャンク部の歪みは目立ちますね。これも仕方の無いといえばそれまでなのですが。右の写真はGuildhall #5との比較。こうして比べてみると、全体的にふっくらと印象に見えますし、現にシャンクは微妙に膨らんでいます。このあたりは良くも悪くもハンドメイドと言ったところです。

吸い味は宣伝通りなかなかのものです。若干ライトな印象はありますが、十分に旨みは出ているような気はします。特にヴァージニアフレークで吸った際のさわやかな感じはいいですね。看板には偽りはありません。
なんと言ってもこのパイプの利点は使いやすいところ。やはり、太めに空けた煙道がいい効果を出しているのでしょうか。買ったばかりの頃は自由自在に煙を操れるような錯覚すらありました。高級なパイプを買ったら喫煙技術が上がったような気がしてくる、というのはこういう事だったのかもしれません。

ただ、今や無き幻の逸品とまではいかないのは残念なところ。このパイプの最大の欠点は「無個性」な所でしょうか。シェイプ自体はラールセンあたりで見かけるようなもので、そう独自性のあるブルドックではありません。工作精度も雑では無いにせよ、そこまで良いという訳でもありません。吸い味・・・は確かに並以上のものがあるのかもしれませんが、超絶に美味いとは言い難い、、かと。そんな訳で本数が大幅に増加した今現在はあまり使う機会はありません。いいパイプには違いないのですが、自分にはそこまで時間も無いのです。

とは言え、安くても美味いパイプ、、というコンセプトで業界に一石を投じるには十分だっと思います。これで一万円でおつりが来るのであれば、今現在でもお買い得なんじゃないでしょうか。細かく見ればアラも多いのですが、とは言えハンドメイドパイプの敷居を下げるきっかけになるパイプだったことは大いに評価できるかと。

まあ、このパイプが数多くの方に受け入れられた理由は今になってみるとわかるような気がします。安くても美味いという単純な点が一番の理由でしょうけど、他にもアンチダンヒル、もしくはミッケやホルベックといっや日本のおける古典的ダニッシュ作家の神格化への反発といった意味でも需要があったようにも思えます。または、本当はデンマークのハンドメイドパイプが欲しかったけど高くて買えなかった・・・そんな方々にとっては渡りに船、といった感じだったのやもしれません。いずれにせよ、このパイプが売られていた頃は今以上に美味いパイプを貪欲に探していたスモーカーが多かった感があります。

惜しむべきは当のぱいぷ堂さんでもこのようなパイプが年々あまり入荷しなくなったことでしょうか。私にはこのあたりのグレード、、日本円にして10000円前後で十分に楽しめるパイプというのが多くの顧客が求めていたパイプだったように思えますし、今でもそうなのではないかと私は考えてますが、だんだん少なくなってきました。ちょっと良いパイプでも3万円ぐらいが限界って方も多かったんじゃないでしょうか。まあ、これには当時の中堅どころの作家さん達が人気が出てハイグレーダーとなり、こぞって値上げをしたというような複雑な事情もあったようなので仕方の無いことと言えるのかもしれませんが。
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