Dunhill Tanshell #42(1962)/Bruyere #42(1961)


今回紹介するのは、2本のダンヒル #42。特に意識して揃えた訳ではないのですが年代が近い物を2本を所有しています。


ダンヒルは地味なシェイプが多いですが、その中でもスタンダードなダブリンである#42はこれ以上無いというぐらいシンプルなシェイプですね。とは言え、ダンヒルらしさは十分にあり、個人的にはこのようなシェイプが大好きです。
Tanshellの方は私が一番最初に手に入れたダンヒルだけに愛着があります。これはとある集まりで大先輩スモーカーの方から購入したのですが、一目で気に入りました。
Bruyereの方は最近、露天の骨董商から買ったもの。これはたぶん、60年代に日本に輸入されたものでしょう。当時の銀座での価格はいかほどのものだったかは私にはちょっとわかりませんが、確か1962年時点でのアメリカでの価格が$28.5でこれを1ドル360円の固定相場で単純計算しても10260円。英ポンドに至っては1ポンド1000円くらいはしたはずなので日本国内では1本1万円以上で売っていたことは間違い無いのではないかと思います。60年代のサラリーマンの給料ではボーナスが入ってもおいそれと買えるものでは無かったのでしょう。このあたりの話はいつか詳しい方に聞いてみたいものですが。それが中古とは言え、そこそこの値段で買えるというのはある意味幸福な時代になったのかもしれません。


刻印はこの通り。何の変哲もありません。Tanshellの方は底が平らですが、Bruyereの方は曲面のままです。無論、底が平らなTanshellの方が置いておいても転がらないので便利ではあります。


ステムの造りは素晴らしいはもう言うまでもありません。材質、厚さ、穴の大きさ、、どれをとっても文句無しです。フィッシュテイルかストレートか、、これは今も昔も意見が分かれるでしょうね。この2本に関してはストレート方が私は好みです。ただ、大きく開口した為か、強く噛み締めると穴が開きそうな感じも否めません。その点、F/Tの方が頑丈な印象があります。やはりこれはスモーカーの好みによりきでしょう。


この2本、本当に同じシェイプなのか疑わしくなるぐらい印象が違うのですが、特に雰囲気が異なるのはこのボウルの造り。肉厚にかなり差があり、ここだけ見てもほとんど別のシェイプに見えます。こうして比べてみると、かなり深くサンドブラスト加工していたのがわかりますね。ただ、この2本の場合、チャンバー径も異なっていて、BruyereはDIMEコインがちょっと奥に挟まる程度なのでΦ19mmぐらいでTanshellは1セントコインが丁度挟まる程度でΦ20mm前後といったところです。


Tanshellのアップ。ブラストこそ深めですが、全体的には凡庸でごく普通なものです。まあ、それでもダンヒルらしさは十分出ていますが。とは言え、やはりShellに比べると地味なように思います。あと、サルジニア産のブライヤーを使用している?せいか木自体が硬い印象もありますね。製造から半世紀近く経っているのにまだ角がシャープな手触りです。


Bruyereのアップ。ダンヒルのスムースパイプはDRのようなごく一部の製品を除けば、近年まで一貫して地味な印象がありますが、この時代の製品についてもそれが当てはまるようです。この地味さが逆に味とも言えるのかもしれませんが、同時代のComoyやGBDに比べるとちょっと見劣りするような・・・。
さて、吸い味なのですが、、これは2本とも旨いには違いないのですが、どうにもクセが無さ過ぎてちょっと上品過ぎる感じがしました。やはりShellとは印象が大きく違います。これはキュアリングの違いよりも、ブライヤーの産地の差が強く出ているのでしょうか。どちらかと言えばTanshellの方が好みの味でした。まあ、これについては吸っているうちに化けてくる可能性もあるのでまだ結論は出せませんが。
この2本に共通する欠点は、自分にはかなり扱い辛いことです。狭く、深いチャンバー故か中盤以降に火を安定させるのに一苦労します。テーパーもきつめなので、狭いチャンバー内に大量の灰が層となって重なってしまうのが難点で、後半で火が消えた時に再着火の火が届きづらくなってしまいます。かといって、燃やし過ぎると薄いボウルなのですぐに熱くなってしましますし、灰を全部取り除いてから着火しても底の方にタバコだけ、という状態では上手く燃焼させるのは難しいです。丹念にタバコを解して、葉を均一に詰めるところから気を抜けません。
そんな訳で、特にTanshellの方を吸って、底に残ったタバコを見る度に私もまだまだ吸い方がヘタクソなんだなあ・・・と思い知らされることになります。いずれはこのあたりのパイプでも難なく扱えるようなベテランスモーカーになりたいものですが、いつの日になることやら、と。そんな事を思いながら、この2本は主にオリエンタルブレンドを詰めて吸っています。
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コメント
味が上品過ぎたとしても、やや扱いにくいところがあったとしても、これだけかっこいいのであれば多少のことには目を瞑れてしまいますよね(笑。
Re: タイトルなし
どうもどうも。
そうなんですよねえ(笑)
なかなかうまくいかないもので、格好良くても使い勝手は良くないってことも
たまにあるもので、格好が気に入っているだけにもどかしいのです。
ま、何事も経験でしょうか。
今回のパイプについては私の経験不足という点も大きいです。
パイプを選ばずに最後まで一発で吸い切る、とまでいかなくとも、
簡単にそこまで灰に出来るようにしたいものです。
そうなんですよねえ(笑)
なかなかうまくいかないもので、格好良くても使い勝手は良くないってことも
たまにあるもので、格好が気に入っているだけにもどかしいのです。
ま、何事も経験でしょうか。
今回のパイプについては私の経験不足という点も大きいです。
パイプを選ばずに最後まで一発で吸い切る、とまでいかなくとも、
簡単にそこまで灰に出来るようにしたいものです。
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