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England's best pipe value

Kaywoodie Drinkless #8768

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今回紹介するのは素晴らしくスマートな一本、Drinkless #8768。久々のスクワットブルになります。これは前々から狙っていたシェイプで、なんとか手に入りました。探すのには長く時間がかかる割には手に入る時はほんの一瞬と言ったところです。

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ロングシャンクのスクワットブル、、珍妙ではありますがなんともスマートで格好良いと思います。似たようなシェイプでブルカップがありますがそれとは違いダイヤモンドシャンクのまま長いシェイプというのはなかなか見かけません。Grayfoxonlineのページによれば、#68はYears: 1936-1938とのことなので極めて短期間に生産終了したシェイプだったのかもしれません。
しかし、、ありそうで無いこんな珍シェイプをしっかり作っていたりするので戦前Kaywoodieは油断ならないです。戦前Kaywoodieと言えば吸い味ばかりが話のネタになってしまいますが、個人的にはもっとシェイプについても注目してもいいんじゃないかと思いますね。貴重な資料として、いつものChris' pipe pagesに1937年のカタログのシェイプ表がありますがどれもかなり個性的。恐らく20年代から30年代にかけてが現代まで残ったクラシックシェイプが完成した時期で、そのクラシックシェイプは同時期に流行したアールデコ様式の影響は多大にあるのではないか、と私は考えていますが、このKaywoodieのシェイプは当時のメーカーの中では一番アールデコっぽい気もします。もちろん本家フランスのアールデコとはまるで違いますが、当時のアメリカ車やインテリアデザインと比べると感覚的に近いものがあるのでは、と。代表的なアールデコ建築群であるロックフェラーセンターに当時ショールームを構えていたというのもなんだか面白いです。30年代の流行に乗った都会的なデザインが売りだったのかもしれません。

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刻印はこの通り。前述の通り36年から38年の間の製品なのだと思います。KBBの刻印はありませんが、消えたのもちょうどこのぐらいの時期だったのかもしれません。反対側にはAGEDBRUYÉREの文字。これが何の意味があったのかはわかりませんが、不思議とIMPORTED BRIARと刻印された製品より美味しい味がするような気がします。ひょっとしたら、30年代後期ぐらいの時期に供給ブライヤーになんらかの違いがあったのかもしれません。まあ、気のせいなのかもしれませんが。

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ステムの出来は例によっていまいちです。これはKaywoodieに共通する大きな欠点と言えるでしょう。リップに深い歯型がついていますが、銜え心地があまりに良くないのでガッチリ噛む必要があったのではないか、と。これについてはいずれ直したいところです。スクリューテノンもやはりヘタっていて、真ん中では止まりません。ブル系のダイヤモンドシャンクだと余計に目立ってしまうのでこれも大きな欠点です。当時の販売店ではちゃんとスペアパーツも用意されていてリペアも可能だったようですが、現行のパーツで可能かどうかはわかりません。一応は外せるのでスティンガーを外して再固定すれば直せるのですが、一歩間違えれば破損するのでそう簡単にはいかないでしょう。

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#87はDark finishとの事で、やや暗めのステインではありますが所謂プラムカラーのようなダークなステインではありません。これはこれで格好よい色だと思います。ハチマキ部分が割れてしまっているのがこのパイプの大きなダメージですね。これは古いブル系シェイプの泣き所のようで、この部分が壊れているパイプをたびたび見かけます。

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チャンバーはかなり急なテーパー形状。これは好みが分れるディテールでしょうか。シャンクの煙道がかなり太い、というのも注目する点でしょう。

吸い味は、、まあこの年代のKayeoodieそのものと言ったところ。慣れてしまえばあまり驚かなくなりますが、こういうライトで香ばしい?甘さはちょっと他には無いです。十分に一級品の吸い味でしょう。ただ、チャンバー容量が少なく、形状も特殊なので詰めるタバコは選ぶかもしれません。感覚的に判断すればヴァージニアフレークが合いそうな気がしますが、こればかりは詰めて吸うまでまだわかりませんので、固定観念に囚われずにいろいろ試していきたいと思います。

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他のスクワットブルと比べてみるとこんな感じになります。ロングシャンクと言ってもボウルが小さいのでそれほど長くはありません。手持ちの中ではボウルが小さめのGBDと比べてみても一回りは小さいでしょう。同じKaywoodieの代表的スクワットブル、#98Bと比べると余計にスマートに見えてきます。スマートさと言う点では比類のないシェイプなのかもしれません。
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