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England's best pipe value

Guildhall #284

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もう手元に結構な数のGuildhallがあるのですが、好みのシェイプのものが出るとついつい欲しくなってしまいます。この#284もそんな経緯でやってきた一本。上の写真はレストア前の物です。

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ちなみにレストアする前はこんな感じの状態でした。汚れもキズもありますが、それほどダメージは深くないようです。珍しく金網がボウル底に詰まってます。今でも喫煙具店で売っているホットグリルや火皿フィルターのようなものでしょう。幸い、これは千枚通しのようなものでひっかけると簡単に外れました。
さて、Guildhallをレストアする上で最大の難点はフィットメント。この写真でもかなり汚れてますが、このぐらい使い込んであると大抵ガッチリと固着しています。半端な固さではないので何もせずに素手で回すのはまず無理です。となるとペンチかなにかで捻るのが手っ取り早いのですが、意外とフィットメント自体はポッキリ折れやすいので注意が必要です。ちなみに今回私の取った手順は、まずアルコールで固着部分を浸すことから始め、それでも回らないようなのでワイドマジックリンを入れた湯に2時間ぐらい浸した後、フィットメントの穴(テノン側のボール状の部分に貫通していている穴)に金属棒を入れ、慎重に捻りました。大抵はこのぐらいの作業で抜けるとは思うのですが、これで抜けない時はフィットメントを火で炙る等の荒療治が必要になるかもしれません。やりすぎるとエボナイトが溶けて余計に固着してしまいますが。

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で、その他の作業を全て終えて磨き上げるとこんな感じになります。やはり私としてはComoy製のパイプのレストアが一番楽しいです。ちょっとの作業でも作業前のボロから見違えるように綺麗になるので。多少のダメージは隠しきれませんが、それでもこのぐらいのクオリティにもっていくことは容易です。

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#284はComoyを代表するブルムースと言っていいと思います。どこから見ても格好の良いシェイプで一目で気に入りました。ブルムースと言えばGBD#9438等が有名で人気もあるようですが、どういう訳かあまり見かけませんね。今普通に手に入るのはPeterson#999ぐらいでしょうか。似たシェイプのAuthorは長い間様々なメーカーで生産されてきましたが、ブルムースは何故ポピュラーにならなかったのか良くわかりません。

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刻印はいつもの通り、ごく普通です。50年代から60年代初頭のものだと思います。

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ステムは恐らくハンドカットでしょう。見た通り、ヴァルカナイトの質も造りもかなり良いのですが、肝心な銜え心地はそれほど良い訳ではありません。右の写真に写っているのが例のフィットメント。これだけ長い物が差してあるのですから抜けないのも無理もありません。
写真ではわかりませんが、シャンク内の造りには少々難があります。ほぼピーターソンシステムと同じような穴の空け方になっているのでモールはまず一発では通りません。となると、フィットメントを装着して使う際は問題無くとも、ステムのみの場合はピーターソンと同様に強制的にジュースが溜まる可能性もあります。ですから、こまめな掃除が必要となるかもしれません。

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まあ、細かいことは抜きして眺めているだけでもいいパイプだなあ、、と思えてくるのがGuildhallの良いところでしょうか。グレイン自体は大したことが無く、埋めもありますが、磨けばかなりピカピカに光ります。

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暗めのステインがかなり良い感じですね。ボウルトップのキズがちょっと惜しいですが、まあこのぐらいは仕方ないと思ってます。

例によって吸い味についてはあまり語ることはありません。いつものビターなComoy味で、ある意味ほっとします。面白みに欠けるので欠点と言えば欠点ですが、それだけ製品にブレが無いという事でもあるのでしょう。まだ本調子ではなく、良好な使い心地ではありませんが、これからじっくりと使いこんでいきたいところです。

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手持ちのブルドック系シェイプのGuildhallを並べてみました。Guilhallと一口に言っても製作年代やロット、経年変化によってかなりステインが違うようですが、この写真でもそれがわかると思います。無論、色が違うだけで仕上げの素晴らしさはどの時代でも共通しています。ステムはハンドカットの物とモールド成形の物がありますが、どちらもほぼ同じような品質でしょう。
ちなみに吸い味もどれも似たり寄ったりでほぼ同じです。強いて言えば左の写真では上から順番に好みの味。これは単なる個体差で、それも微々たるものでしょう。

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最近気がついたのですが、Guildhallの刻印はどうも微妙に違いがあるようです。これはシェイプによるのか、ロットによるのか、それとも製作年代によるものなのか、、もしくは単に薄くなった文字がそう見えるだけなのか、理由はわかりません。
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